Web制作者が「SEO対策できます」とアピールするのは微妙なんじゃないかと思う話

こんにちは、氷犬です。
普段は、都内のWebマーケティング会社でSEOの仕事をしています。
最近、Web制作をされているフリーランスのサービスサイトを見ると、強みのひとつとして「SEO対策」を上げている方が多いと思います。
大抵の場合、「SEO対策に最適なサイトを作ります」という説明が添えられていることが多いですね。
ただし、個人的にWeb制作者が「SEO対策できます」とアピールするのは微妙なんじゃないかなと思ってまして、今回はそんな話を書いてみたいと思います。
目次
Web制作者が「SEO対策できます」とアピールするのは微妙な理由
Webサイト制作時にSEOをできる余地があまりない
サイト制作時のSEO(対策)としてイメージしやすいのが、「タイトルタグや見出しタグを適切に使う」「タグのコーディングルールを守る」というものです。
一応、コーディングがSEOに影響しないことはないです。実際、タイトルと見出しタグはめちゃくちゃ重要です。
しかし、タグを適切に使うこと自体は、SEOとは少し違うと思っています。
なぜなら、正しい(セマンティックな)コーディングは、SEOを意識しなくても、心がけた方が良いことだからです。
また、数ページのコーポレートサイトや、ブログが設置してあるくらいのサイトだと、制作時にできるSEOはほとんどありません。
そういうサイトのSEOは、運用時に意識すべきことの方が多いです。
なので、「サイト制作時にできるSEOはほとんどない」ことから、「SEO対策できます」とアピールするのは、さほどメリットがないと思っています。
ターゲットとなるお客さんがSEOに詳しいケースは少ない
次に、ターゲティングの問題です。
Webサイト制作を売るにあたって、ターゲットとなるお客さんはSEOを詳しく理解しているケースは非常に少ないと思います。
もしかしたら、SEOという言葉は知っているかもしれませんが、リンク全盛期のSEOの印象しかないかもしれません(要するに何もしなくても順位が上がるみたいな印象)。
なので、「SEO対策できます」というアピールは、
- そもそもSEOを知らないお客さんに刺さらない(アピールの意味がない)
- SEOを誤解しているお客さんを変に期待させるだけ(期待値が上がってしまう)
という、2つのデメリットが生じる可能性があると思います。
SEOではなく、もう少し包括的にアピールすると良い
- サイト制作時にSEOをする余地はあまりない
- 「SEO対策」がお客さんに刺さらない、または期待値が上がってしまう
この2つの理由から、Web制作者が「SEO対策できます」とアピールする理由は薄いと思います。
また、SEOは年々技術的ハードルが上がっていて、費用対効果が悪くなっているので、実はSEOを遡及するのは微妙な気がしています。
もし、提案にマーケティング要素を持たせたいのであれば、「SEO対策」を強みとして見せるより、もう少し広い「Webマーケティング」という概念で遡及するのが良いかなと思います。
もっというと、Webマーケティングすらまだ意味が狭くて、「売上を増やす仕組みを作ります」ぐらい言った方がやりやすいはず。
SNSでもいいですし、Googleマイビジネスでもいいです。結果として、SEOに取り組むことになってもいいと思います。
要するに、「どうせアピールするならお客さんのニーズに合った形でアピールした方が、無駄がない」ということです。
お客さんは、SEOでもSNSでも、売上に繋がるWeb活用なら何でもいいと思うんですよね。
手段を語るのはスマートに見えますが、成果を語る方が堅実です。
(注:SEO会社や、SNSマーケティング会社は、戦略上そういうポジションを取っているだけで、WHATだけを語っているわけではありません)
以上です。
もし、Webサイト制作とSEOをセットで売って成功されている方がいれば、興味があるのでぜひ共有いただけると嬉しいです。
Webマーケティングに興味がある方は、ぜひイベントへ
何の脈絡もない宣伝で申し訳ないのですが、2020年の2月1日(土)に都内で「氷犬がWebマーケティング業界を語る会(仮)」というイベントをやります。
Web制作と絡めた話はしないと思いますが、Webマーケティング業界の雰囲気とかを知りたい方はぜひ遊びに来ていただければ嬉しいです。